「霜月夜」
ねぇみて 息が白いよ
毎年 君は嬉しそうに
秋の死を告げる
この季節を抜けたら きっと僕達は
鈍く濁った冬の中にいて
今と 同じようには 言葉を交わせなくなる
僕の心は 段々
君の 強い優しさに 触れて
粉々に砕けて もう
元の形を思い出せなくなっているから
こんなに 寒く感じる夜は
ひとりが良くて
でも 誰かに触れたくて
触れて欲しくて
どうすればいいのか
分からずに
君と僕の前を 通り過ぎてゆく
木枯らしの群
もうすぐ
冬の鈍い色をした低い雲が
冷たい雨を連れて やってくる
こんなに 寂しい夜だから
僕はせめて 君の
わきあがる涙の 理由を
抱きしめて眠ろう