「バベルの塔と悪魔の鼻」


 自分の掌に残るものなど

 そう幾つも無いのに

 拾って 奪って つかんで 落として

 また 拾って

 何度でも バベルの塔を作る

 常に 何か足りない 午前三時



 悪魔の君は 嘘をつきすぎて

 長く長く天まで伸びる鼻を鳴らして

 笑いながら 僕を指差した

 「君は実に人間らしい」と



 悪魔に説かれる 人間らしさを

 誰が愚かと笑えるのか

 そして掌で繰り返される悠久と

 目の前にそびえる鼻の

 どちらが高くなるのか


 人間らしさとは

 それすらも とっさに計算してしまう

 愚かさにある