「夏を往く」





 照りつける日差しを受けながら

 幾度吹く 微かな南風を頼りに

 木陰を辿り 水辺を求めて


 露の残る 静かな朝を抜け

 濃い影落ちる 昼を過ぎ

 長く続く夕暮れの明暗に 目を凝らし

 浅い夜が引き連れた孤独と 手を繋ぐ


 遠い 路の終わりに

 何があるのかも 分からずに

 足は一つの季節を 確かに前へ進む


 今日も 風に背を押され

 あなたと過ごした この景色を

 ただひとり 残された夏を往く