古びた机に 両肘を

 額を手の甲につけたとき 漏れる溜息を

 深夜二時にも 休むことを許されない

 扇風機の羽根だけが知っている


 気がついたらここにいて

 何が怖いのかも 分からずに

 ただ 夜が過ぎるのを待っている

 どこで痛めたのか 忘れてしまった

 心はもう しばらく前から眠っているのに


 地表に刻まれた 昼の暑さが

 細かく砕けながら 再び空へと昇ってゆく時間


 不気味なほどに 寝苦しく

 それでいて 優しげな


 『熱帯夜』