「夏の宵」





 あなた達が作った道の 遙か先で

 私がふと 思いを馳せて 振り返るとき


 この長い道の途中で

 あなた達と繋がっていることが

 ただ ただ 誇らしく思える



 今年も「おかえり」が言える 夏を

 同じように空を見上げていた あなた達を思う


 あなたと別れた 十五年の年月を超えて

 あなたと別れた 九年の時間を越えて

 私の知らない 遠い昔の

 話の中で生きるあなた達を思い出す



 戻り行く茄子の しっかりとした足跡を

 名残惜しく 振り返りながら


 私達は風に押されるように

 残された夏の宵を 歩き出す