「空を往く」





 この痛みを 怒りに代えて

 この嘆きを 怒りに代えて

 そして この怒りを

 一体誰に ぶつければ良いのだろう



 平和などと

 軽々しく使っていい言葉ではないのに

 その上に立つ僕らは 言葉の重みも

 その下を支えてきた誰かの苦労さえも 知らずにいる



 今年もまた盆を迎え 幾多の魂が空を往く

 通り雨の中を足早に駆けてゆくように

 僕もまた 誰かと同じ

 ただ過ぎ去った昔のこと と

 雨上がりの夏空を 見上げることしかできずにいる