「無題と言う名」



 たとえば
  吹き荒れる風の中で
  飛び立った鳥を見上げ
  咲き乱れる花の中で
  映えわたる月のように
 生きることは愚かだと
 それでもあなたは口にするのですか

 たとえば
  紙一重と呼ぶ生死の交錯の中で
  死に絶えて行く骸の街で
  建物の影に潜む現代社会の矛盾に
  人の流れに逆らえず埋もれてしまうように
 生きることは素晴らしいと
 それでもあなたは口にできるのですか

 意味もなく続く争いに
  終止符を打つ術を知っていますか
 終わりのないような地上の営みが
  永劫に続くと思い込んでいませんか

 そう、それは
 たとえば
  限りある生命と言う枷
  限りなき思いと言う力
 そして、また
 終わりなき明日が来るように