「三日目のカレー」




 いたって平静な日常の中では

 無くなったものの大きさが ふと分からなくなる


 まるで具材がほどよく溶け切った

 三日目のカレーのように

 残ったものを ぐるりぐるり

 煮詰めた鍋を 何度もかき回して

 ふと気づく


 ああ そうか


 無くなったものは失なわれたのではなくて

 溶けて今もなお 私の中に あるのだと