「色の無い花」


 たとえば 人の心に種を植えて

 花を咲かせてみたとする

 大きい花 小さい花

 強い匂い ささやかな香り

 そして そこには 必ず 色があった



 今 人々の胸にちらほらと咲く 色の無い花は

 誰にも分からず 誰も捕らえられずに

 自分でさえも思い描くことのできない 幻

 虚偽と虚空の間に咲く

 決して穢れることの無い 偽物



 色が無いから ペンキを塗ったり

 形が分からないから レッテルを貼ったり

 僕達が本当にしなきゃいけないことは

 そんなことじゃないだろう



 空を仰いで 目を閉じる

 色の無い花は 今もそこに

 鮮やかな「理想」という色で

 咲かせる夢を 抱けるように



 いつかは必ず朽ちる花を

 咲かせるために