「繰り返してはならない八月」




    風にたなびく白旗の
     千切れて舞うは 音も無し
      幾度通いし この路に
       重なり倒れや 人の群れ

    いとし いとしや あの人も
     今は冷たき 土の中
      この地に在りて 生くるより
     死にて彼の地に 参りたや

      泣きし赤子の 声のみに
     救われたもう 我なれば
      この手に抱きて 頬を寄せ
     か細きその手を 握り締む

      夜に消ゆるは 鈴の音よ
     濡らす頬へと 風が吹く
    今は悲しき 夢の中
       早く覚めよと 遠く鳴る