「秋がまた」






 ああ また 秋が来てしまったようだよ

 檻の向こうで 看守の君は懐中時計を見て 一度ため息をつく

 そんなもので 季節の移ろいは分からないと言うのに


 閉じ込められた部屋の窓から

 他人事のように呟いて


 鮮やかな色は 密やかに

 黒の色調を 奥底から引き出し始める


 いずれ来たる 白への抵抗値を探しながら



 檻の向こうで 看守の君は懐中時計を置いて 立ち上がる

 目の前の事実から 目を逸らすように


 どちらが どちらも檻の中にいる

 閉じ込められた部屋の中から

 変わり続ける外の景色を いつまでもうらやみながら