「さようなら」


 そういわれて 一息ついてしまえた私がいて

 冬の空へ白くにじんで消えていったあの溜息が

 私自身へのあきらめなのか

 彼を傷つけることへのためらいなのか

 もう 分かりはしないのだけれど


 時々 ひどく いとおしくなって

 ぬくもりを思い出すのは 卑怯でしょうか

 あの時 去り行く背中すら追えていたのに

 今 あふれ出した涙は 卑怯でしょうか