「シュレーディンガーのあなたへ」
足りない 足りない
寝言の様に
ぶつぶつぶつ
低く うつむきながら
名前だけ空欄の 薄汚れたコピー紙を前に
一体 何が足りないのかを
今日も悩んでいる 目の前のあなた
足りない 足りない
私にも気づかず
がりがりがり
芯のないペンを 走らせながら
人生と書かれた 薄汚れた履歴書の上に
焦って 何を足そうとしているのか
今日も悩んでいる 目の前のあなた
ほら 懐かしい歌が 聞こえてきたよ
炎を巻いた空から 死神と共に 君の名を呼んでいる
今度こそ 祈りは届かないだろう
あなたは箱の中で
重ね合わされた一つの極論
可能性と呼ぶには あまりにも脆い
既にいない わたしという名の あなた