「庭先の風」



 つい先日 風が 庭先に止まっているのを見た

 その場でくるりくるりと円を描くこともせず

 止まった空気の中

 自分で動くことも

 周りに流されることもできずに

 庭先に止まっていた


 しばらくして 風はまた

 組みあがりかけてはバラバラになり

 冬の空に消えた


 彼らの名は知らないけれど

 その姿は 今は私とは遠い人々を思い出させる


 出会いと 別れを繰り返す

 我らも その 一吹きの風に過ぎない