「背徳の霧」



 今日もむせぶような霧の中
 歌う声は剣のように鋭く 冷たく響いた
 暗闇の中で水音が瞬時に 生命の輝きを奪い去る
 ああ 君の声は遠い

 今日もまた むせぶような霧の中
 歌う声はまるで僕を責めている
 背徳の霧に惑わされながら 声は素直に死を望む
 もう 君の顔は見えない

 遠く とおく トオク
 近く ちかく チカク


 死を望む声 は 反射を繰り返す


 今日もむせぶような霧の中
 思い出すのは 君の横顔

 声は………
  遠い。